日本損害保険協会(金杉恭三会長)は「自動車盗難事故実態調査結果」を発表した。損害保険会社18社を対象に、自動車本体盗難事故及び車上狙い事故で車両保険金の支払いを行った事案件数をまとめた。車両本体盗難の被害は、トヨタ自動車「ランドクルーザー」や「プリウス」など特定のモデルに集中。1件当たりの平均支払額は増加傾向にあり、屋外駐車場が狙われやすく、盗難発生時間帯は深夜から朝が多いことが分かった。今回の調査では日の入りが早い2月に実施した(例年は11月)。

 車名別の車両本体盗難状況は、ランドクルーザー(全体の18・1%)、プリウス(同16・8%)、「レクサスLX」(同10・8%)の順に多く、トップ3は、前回調査と同じラインアップとなった。4位以下は「アルファード」、「レクサスLS」、「ヴェルファイア」などがランクインし、比較的高額なモデルが狙われやすい傾向が見てとれる。

 本体盗難1件当たりの支払い保険金は、被害車両が発見された場合、160万円で同7万3千円低下、未発見の場合は454万7千円で同58万7千円上昇した。保険金の支払額は近年上昇が続いており、未発見の場合は16年度比で約190万円アップしている。支払い件数を都道府県別で見ると、茨城県が57件(同24・6%)でトップ。千葉県が32件(同13・8%)、愛知県と大阪府が28件(同12・1%)と続いた。

 発生場所は、屋外の駐車場が多く、自宅が119件(同51・3%)、契約駐車場が53件(同22・8%)と、約75%が日常的に同じ場所に駐車し、外から自動車の有無がわかる環境下で発生している。また、盗難が発生しやすい時間帯は、深夜から朝にかけて(午後10時~午前9時)が163件(同70・3%)で大半を占めた。

 自動車盗難の認知件数は03年をピークに減少傾向が続いている。同協会は、盗難を予防するためにバー式ハンドルロックやイモビライザーの使用、セキュリティの高い駐車場の利用を呼びかけている。