ヤマハ発動機は4日、四輪電動車向け高性能電動モーターユニットの試作開発受託を開始すると発表した。エンジン開発で培った技術や生産力を応用して、納入先のニーズに合わせた高性能モーターを供給する。電動車用モーターは多くの自動車メーカーが内製化するが、ヤマハ発が提供するモーターは少量生産の高性能スポーツカーなどを想定する。

 同社がエンジン開発で培った鋳造技術や加工技術と高効率なセグメントコンダクタの採用によって、コンパクトさと高出力を両立したモーターを実現した。

 モーターの最高出力は35~200㌔㍗と幅を持たせ、最高出力や冷却方式を納入先の要望に応じて変更できるようにした。また、二輪車をはじめとする少量多品種に対応してきた生産技術を生かし、短時間での試験開発を可能とする。

 モーターユニットは、外販向けエンジンなどを開発するモビリティ技術本部AM開発統括部が担当する。トヨタ自動車の高性能スポーツカー「レクサスLFA」などを開発した部署で、新たな高性能パワートレインの供給を目指しモーターユニットの開発に着手した。AM開発統括部の原田浩之業務部長は「マス(量産)を狙わずに少量高付加価値モーターをニーズに合わせて短期間で提供する」と述べた。