マツダは、環境対応車のラインナップ拡充にロータリーエンジンを全面的に活用する。レンジエクステンダーを搭載した電気自動車(EV)や、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)にロータリーエンジンを搭載する。同社は2030年に全車両を電動化する計画を掲げている。電動化技術に、ロータリーエンジンを組み合わせて効率の高い電動車両を市場投入していく。

マツダはロータリーエンジン量産車を生産していた唯一の自動車メーカーだったが、燃費規制に対応できないことから「RX-8」の生産を2012年に停止し、ロータリーエンジンは市場から姿を消した。ただ、ロータリーエンジンの研究開発は継続してきた。

ロータリーエンジンは高出力で燃焼効率が高く、部品点数が少なくてコンパクト。これらの特徴を生かして環境対応車に活用する。航続距離を伸ばすためのレンジエクステンダーを搭載するEVや、エンジンを発電機として使って電力で走行するシリーズ式HV、PHVにロータリーエンジンを搭載する。ロータリーエンジンを搭載することで、電動車両のバッテリー容量を小さくして、コストも抑えられる。

マツダは2020年にロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したEVの市場投入に向けて開発してきた。しかし、ロータリーエンジンをHVやPHVといった環境対応車にフル活用する戦略に変更したことから、ロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したEVの投入計画も見直した。

マツダは2030年に電動化技術を搭載した内燃機関車を95%、EVを5%と、全車両を電動化する計画を掲げている。電動車両にマツダを象徴するロータリーエンジンを活用することで、他社との差別化を図る狙いもある。

一方、マツダはレンジエクステンダーを搭載しないピュアEVを「東京モーターショー2019」で世界初公開し、2020年に市販する予定。