2020年以降も電動化の勢いは続く。電気自動車(EV)の駆動モジュールは、インバーターとモーター、ギアなどを組み合わせる「eアクスル」が主役になりそうだ。国内外のサプライヤーが開発を進め、変速機を持つ駆動モジュールなど幅広い提案にもつながるとみられる。

 電動化を見据えた再編も進む。トヨタ自動車系のデンソーとアイシン精機は19年4月に電動車の駆動モジュールを手がける合弁会社を設立。独コンチネンタルも同年10月にeアクスルを含むパワートレーン部門を分社化し、電動車向けの開発を強化する。

 中国や欧州、日本でも環境規制が強化されるなど電動化の期待は世界に広がっている。ただ、航続距離に不安が残るEVが、消費者にとって最善の選択肢かはまだ不透明だ。各社はハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などにも引き続き、リソースを注がなければいけない状態もまだ続きそうだ。

 また、電動・電子化によって、車載機器の信頼性を確かめるEMC(電磁中立性)試験の需要が拡大している。試験受託サービス各社は試験に使う電波暗室を増やして受入能力を強化。国際規格やEV市場として世界最大の中国の標準規格に対応できる体制を整えている。