研究の概略図

京都大学の片山想太郎情報学研究科博士後期課程学生、大塚敏之同教授、トヨタ自動車らの研究グループは、制御する対象が、不連続に変化しても、高速でモデル予測制御できる技術の開発に成功したと発表した。

刻々と変化する状況に応じて適した未来の動きを実時間で計算しながら制御するモデル予測制御は、自動運転システムなどに応用できることから研究されている。しかし、制御対象のモデルが、不連続に変化するケースでは、計算が膨大となり、モデル予測制御するのは困難な状況。

今回の研究で開発したアルゴリズムは、不連続の変化を含む最適な予測動作全体の計算と、予測した変化に応じて、部分的に動作の修正を組み合わせることで、効率的に計算することに成功した。このアルゴリズムによって、不連続に変化してもモデル予測制御を適用することが可能になる。

このアルゴリズムを活用することで、例えば地面と足の接触に応じて速度が不連続に変化して運動方程式が切り替わる2速歩行ロボットなど、さまざまな不連続の変化を含む制御システムの性能を、限界まで引き出すことが可能になるとしている。また、自動運転では状況の変化に応じて動きを修正するなど、未来の動きを最適化しながら制御するのに活用できる。