トヨタ自動車が27日に発表した生産・販売実績によると、2019年8月の世界生産は前年同月比5.8%減の68万2270台と、5カ月ぶりに前年割れとなった。
海外生産は同7.8%減の45万1008台で3カ月連続の前年割れだった。特にマイナス幅が大きかったのが中南米で、同36.8%減だった。ブラジルで新型「カローラ」の立ち上げに向けた切り替えを行ったことに加えて、アルゼンチンの通貨安の影響で市場全体の落ち込みが続いていたことが影響した。
アジア地域の生産台数は同10.7%減だった。中国が新型カローラセダンの切り替え直後であることに加えて、インドやパキスタン市場が減少した。
欧州はほぼ横ばいだった。今年発売した新型カローラセダンなどの販売は好調だったが、一部車種でHV部品の供給がひっ迫したことが影響した。
国内生産は同1.6%減の23万1262台で8カ月ぶり前年割れだった。2019年1月から生産を開始している北米向けの新型カローラが押し上げたものの、前年同月と比べて稼働日が1日少なかったため、台数減となった。
8月の世界販売は同2.2%増の80万6307台で、このうち海外販売は同1.7%増の68万9314台だった。世界・海外販売ともに8月として過去最高だった。北米は同10.6%増の28万2285台だった。特に「RAV4ハイブリッド」などライトトラック系の販売が堅調な米国が同11.3%増だった。
アジアは同6.3%減の23万1677台だった。中国が同3.8%減と18カ月ぶりに前年割れとなった。今年8月に発売した新型カローラセダンへの切り替えがあったため。今年6月に発売した新型「レビン」は好調だった。
生産が大幅に落ち込んでいる中南米は販売も減少しており、同13.5%減だった。ブラジルで競合車との販売競争が激化し「ヤリス」の販売が減少した。