貨客混載の実証実験イメージ

自動運転サービスの実現を目指すソフトバンク子会社のSBドライブは9月20日、自家用車以外の移動手段が限られる北海道上士幌町で、自動運転車による商品配送とMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)アプリを活用した観光地への移動サービスの実証実験を実施すると発表した。

実証実験は町内のスーパーから高齢者が多く居住する団地内まで、自動運転車両を走行、上士幌町の住民が専用スマホアプリで注文・配送予約した商品と、上士幌町の住民を同時に運ぶ貨客混載を実施する。10月5~7日までの3日間で、自動運転での貨客混載の受容性、自動運転技術について検証する。

また、MaaSアプリで、鉄道やシェアカー、シャトルバス、レンタルサイクル、レンタル電動サイクルなど、さまざまな移動手段を組み合わせたモビリティを案内・提供する。

利用者はMaaSアプリを活用することで、周辺の観光地や飲食施設へ簡易・便利に移動できる。ユーザーの移動行動に応じたポイント付与など、移動需要の創出や移動最適化のための機能も順次追加する予定。2019年11月以降、実施して、MaaSアプリの受容性やニーズ、新しい移動手段に対するニーズや技術を検証する。

2つの実証実験はSBドライブの自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher」と、MaaSテックジャパンのMaaSに関する知見や技術を組み合わせて実施する。

上士幌町は行政面積が約700平方キロメートルと、東京23区よりも広大で、市街中心部や農村地域でおいて主に高齢者などの交通弱者の買い物や通院のための循環バスが運行されているが、財政負担や運転手不足などが課題となっている。コストの低減を図りながら、車を持たない高齢者や観光客に対する移動手段の提供を視野に、実証実験を実施する。