フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン(VWジャパン)は8月20日、主力モデルの「ゴルフ」に約21年ぶりにディーゼルエンジン搭載モデルを設定して10月1日から販売開始すると発表した。今回、ゴルフ、「ゴルフ・ヴァリアント」、「シャラン」の3モデルにディーゼルエンジン「TDI」を搭載する。国内で販売するVW車のディーゼル車は8モデルが揃うことになる。モデル末期のゴルフシリーズにディーゼルエンジン搭載モデルを設定して販売のてこ入れを図る。

ゴルフ、ゴルフ・ヴァリアントに搭載するディーゼルエンジンは最高出力110kW、最大トルク340Nmの2.0リッターTDIエンジン。シャランには同じ排気量は2.0リッターながら最高出力130kW、最大トルク380Nmと、7人乗りで重量物の積載を考慮してパワーアップしたディーゼルエンジンを搭載した。

価格はガソリンエンジン搭載モデルと比べて装備を充実した部分を除いて約20万円程度高い。ゴルフTDIハイラインが362万円(消費税10%込み)、ゴルフ・ヴァリアントTDIコンフォートラインが337万円(同)、シャランTDIハイラインが529万6000円(同)。

欧州ではディーゼルゲート事件の影響もあってディーゼル車の販売比率が一時期よりも低下しているが、VWジャパンでは「クリーンディーゼルエンジンは走行性能や環境性能が高く評価されており、日本ではニーズが確実にある」(広報部)としてディーゼル設定モデルを拡充している。

先行して投入した「ティグアン」のディーゼルエンジン比率は8割で、「ゴルフ・トゥーラン」や「パサート/パサート・ヴァリアント」でもディーゼル車比率が6割を占めている。

ゴルフは欧州市場で年内にフルモデルチェンジする予定で、日本市場でも2020年には新型車に全面改良すると見られる。今回、モデル末期ながらゴルフにディーゼルエンジン車を設定して販売をてこ入れするとともに、フルモデルチェンジ後の新型車でもディーゼル車の販売増に結び付けていく構えだ。