ホンダは7月18日、軽自動車「N-WGN(エヌワゴン)」「N-WGNカスタム」をフルモデルチェンジして8月9日に発売すると発表した。2017年9月の全面改良に合わせて一新した「N-BOX(エヌボックス)」のプラットフォームをベースに専用設計し、「日常生活での使いやすさ」を徹底的に追求して開発したという。国内新車市場でトップの販売台数を快走するN-BOXと比べて、今ひとつ冴えないN-WGN。開き直って開発した新型車は存在感を示せるか。

「ライバルに勝つためではなく、どう使いやすくするかにこだわって開発した」―新型N-WGNの開発で重視した点を聞かれた開発責任者の本田技術研究所の古館茂氏は言い切る。兄弟モデルであるN-BOXが全面改良前のモデル末期でも、国内軽自動車でトップの販売規模なのに比べて、N-WGNは、軽ハイトワゴン市場でシェア5位にとどまっている。古館氏は「N-BOXは最初から人気だったわけではなく、口コミなどで徐々に人気がでていった。だから新型N-WGNでも他社を参考にすることはせずに、それよりそう使ってもらえるかにフォーカスすることにした」と、N-BOXやライバル車に振り回されることなく、開き直って独自の視点で開発したという。

N-WGNの開発現場には、買い物用カートや買い物カゴ、灯油のポリタンク、観葉植物など、日常生活で使用するグッズを数多く取り揃えた。開発した車両のトランクに実際に積載するなどして、使い勝手を試すためだ。これらによって新型N-WGNで生み出したのが低い床のラゲッジルームだ。N-BOXのプラットフォームをベースに、燃料タンクを前席下に収納したセンタータンクレイアウトを採用、広い室内空間と使い勝手のよい荷室を実現した。

荷室の低床化でペットボトルやビールケースなど、重い荷物を少し持ち上げるだけで荷室に積載できる。荷室をボードで仕切ることで上段と下段に荷物を積み込める。上段はスーパーの「マイバスケット」の高さに設定した。

リアシート下やフロントシートバック、センターコンソールなどには、使いやすい場所に、使うシーンを想定した収納スペースを配置した。