トヨタ、スズキの包括提携合意当時

 トヨタ自動車とスズキは3月20日、電動化技術や小型車、生産領域に協業を拡大することで合意したと発表した。両社は2017年2月に業務提携することで合意し、これまで車両やパワートレーンの相互補完で連携してきたが、技術開発や生産の領域に協力関係を拡大する。

 環境対応技術で進んでいるトヨタが、環境対応技術で遅れているスズキの電動化に協力するとともに、小型車に強いスズキが、この分野が不得意なトヨタの小型車ラインナップ拡充に協力する。

 具体的な協業拡大は、グローバル市場でスズキにTHS(トヨタハイブリッドシステム)を供給する。ハイブリッドシステム・エンジン、電池のインドでの現地調達、欧州市場でスズキに「RAV4」、「カローラワゴン」のハイブリッド車をOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。

 小型車分野では、インドでスズキの小型車「シアズ」、「エルティガ」をトヨタにOEM供給する。デンソーとトヨタの支援を受けて開発しているスズキのエンジンを、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ポーランドで生産し、トヨタの小型モデルへ搭載する。スズキがインドで生産する小型車「バレーノ」、「ビターラブレッツァ」、「シアズ」、「エルティガ」をトヨタのアフリカ市場向けにOEM供給する。

 また、スズキのインドでの車両開発ノウハウを活用してトヨタのCセグメントMPVを共同開発するとともに、開発したモデルをトヨタがスズキにOEM供給する。2022年にトヨタキルロスカ自動車(TKM)で、スズキの小型SUV「ビターラブレッツァ」を生産する。

 スズキとの協業拡大を決めたトヨタの豊田章男社長は「今回の合意により、インドや欧州をはじめ、グローバルにおいてさらにハイブリッド技術が普及することを期待している」とコメント。スズキの鈴木修会長は「今回トヨタからハイブリッド技術も使わせていただけることになったのは誠にありがたい」としている。