「昔はお侍さんが往来を七分したそうですな。でもって残りの三分を農・工・商が歩いた。てなわけであたしら噺家の歩くところは無くて、ドブん中、這って歩いたんですな(笑)…」。稀代の名人といわれる5代目古今亭志ん生の、ある小噺のイントロ部分である◆子供の頃、落語好きの父の影響で寝しなには日替わりで古典落語を味わった。双璧といわれた三遊亭圓生、やはり名人と…