彼岸の入りは春一番に続く春嵐の趣があり、塔婆があちこちでかたかたと鳴りうるさいくらいだった。境内の梅は終わっていたが、早咲きの桜はまだ寂しげにぽつりと満開であった◆そう言えば今年は梅の花を見ることが少なかったように思う。梅のウイルスが流行っており、関東などでは伐採のため、窮地に陥っている梅園もあるということを後から知った。感染した梅は枯れることは…