マツダがルマン総合優勝を勝ち取った同じ年だと思うが、富士スピードウェイに耐久レースを見に行った。太陽が西に傾き、ゴールが近づく中、ロータリーエンジン独特の甲高い、官能的ともいえるエキゾーストノートが何度も近づいては遠ざかる。何かに憑かれたように、観客席で立ち尽くしていた記憶がある。今でもあの排気音が耳に焼きついて離れない。本書は1991年にグラン…