東京証券取引所は28日、ニデックを特別注意銘柄に指定した。「監査法人が『意見不表明』とするなど、内部管理体制について改善の必要性が高いと認められるため」としている。

 特別注意銘柄に指定された場合、1年が経過した後に内部管理体制などの審査を受け、適切に整備・運用されていれば指定は解除される。しかし、適切に運用されていないと判断された場合は指定が継続されるほか、適切な整備がなされていない場合は上場廃止になる。

 ニデックは同日、東証から特別注意銘柄に指定されたことを受けて「全社を挙げて第三者委員会による調査およびその他の社内調査などの一環としての外部専門家による調査に対し、全面的に協力するとともに、ガバナンスおよび内部管理体制の整備と強化を図り、皆様からの信頼回復に向けて尽力していく」とした。

 ニデックはイタリアの連結子会社が製造するモーターについて、米国で原産国申告の誤りで未払い関税が発覚し、外部専門家と調査してきた。この影響で2025年3月期の有価証券報告書は、当初期限の6月30日に提出できず、期限延長を申請。9月26日に提出した。

 監査法人のPwCジャパンからは、有報の連結財務諸表について監査証拠を十分に入手できていないほか、新たな虚偽が発覚した場合、連結財務諸表に広範な影響が及ぶため、「意見不表明」の報告書を受領。23日には26年3月期の業績予想を「未定」としていた。