優勝した藤選手(写真中央)
昨年優勝した石野選手はカートシリーズに出場中

トヨタガズーレーシング(TGR)は、eモータースポーツ大会「TGR eモータースポーツチャレンジリーグ決勝」をトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)で開催した。昨年を200人上回る約2500人が参加したオンライン予選を勝ち抜いた上位12人が出場。中学1年生の藤奈々樹選手が優勝し、トップ3人の順位が目まぐるしく入れ替わる接近戦を制した。

同リーグは昨年の初開催に続き2回目。eモータースポーツで有能な選手が実際のレーシングドライバーを目指す活動を支援するTGRのプロジェクトで、小学5年生から中学3年生までが参加できる。

優勝者特典として、入門者向けのカートレース「SLシリーズ」に参戦するための支援が受けられるのが大きな特徴。マシンのみならず、タイヤやスペアパーツ、消耗品、ケミカル類、メカニックサポート、ロジスティクス費用など、協賛企業の協力を得て手厚いサポートを提供する。

2代目チャンピオンとなった藤選手は決勝を振り返り「最後の1周は生きた心地がしなかったが、1位の座を守れてよかった」と喜びを語った。

2年目を迎えたばかりの同リーグだが、バーチャルレーサーからリアルドライバーへの道筋を作った成果はすでに出始めている。昨年の第1回大会を優勝した石野弘貴選手(当時中学3年生)は、神戸を中心にSLシリーズに参戦し、複数回の優勝を飾るなど優秀な成績をリアルの世界で納めている。

GRカンパニーGRモータースポーツ事業部GT事業室の佐藤潤主幹は「もちろん本人の努力と成績次第だが、この先にはTGR育成ドライバーという道もある。eモータースポーツからプロドライバーへのプロセスは成立する」と指摘する。