トーヨータイヤのセルビア工場

 トーヨータイヤは2日、欧州の研究開発拠点を再編すると発表した。ドイツ・ヴィリッヒの工場内に持つ研究開発機能を、セルビア・インジヤ市に新設する拠点へ2027年1月に移管する。この移管を契機として、日米欧3極でのグローバル研究開発体制をさらに強化する。

 同社は19年1月に米国、同年11月にドイツに研究開発拠点を設け、国内のタイヤ技術センターを加えた3極体制を整えた。しかし、電動車開発や安全運転支援、経済性と耐久性の両立など、次世代車へのシフトに伴い、タイヤ開発についても、転がり抵抗の低減や軽量化、耐摩耗性など、より高水準な技術開発が求められるようになってきた。このため、研究開発体制のさらなる連携に向け、欧州の研究開発機能のさらなる強化を図ることにした。

 同社は22年暮れに欧州初となるセルビア工場を開設した。新拠点では、加工技術の強化に取り組む。新配合・新素材の開発や混合技術の高度化により、製品性能だけでなく生産性も高めていく。テストコースを活用した実車試験による、開発サイクルの短縮と新商品の開発スピード向上にもつなげる。