ファスナー取り外し式工法（左）、従来の設置方法（中央）、年間発電量を最大化させる設置方法（右）
アイシンは6月13日、大手ゼネコンの大林組とペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証を開始したと発表した。太陽電池を簡単に交換できる工法と、年間発電量を最大化する方法について実証を行う。大林組が開発した施工と設置方法を用いて大林組技術研修所の本館屋上で検証する。実証を通じてペロブスカイト太陽電池の課題である発電効率や耐久性などの解決につなげていく。
簡単に交換できる工法の検証では、ファスナー式の取り外し方法を採用する。ペロブスカイト太陽電池付きのシートと屋根や壁面に固定したメッシュシートをファスナーでつないで固定する。これにより、固定などの穴を空けることができない箇所へ取り付けや、部分的な交換が可能となる。長期設置による耐久性の検証や交換時の施工性評価も予定する。
発電量の検証では、ペロブスカイト太陽電池の特徴である軽さや柔軟性、低照度時の高い発電効率といった利点を生かし、年間を通して発電量を最大化できる効率の良い形状を算出して設置した。同じ面積の太陽電池を発電効率の高い角度で平板で設置した場合に比べて、発電量が20％以上増加すると試算する。
両社は実証で得た知見を基に、ビルや工場、インフラ構造物など、ペロブスカイト太陽電池の特徴を生かした設置ができるように技術開発を進めていく。これにより再生可能エネルギーのさらなる普及を後押ししていく。
