マフラー大手の三五(水野昭智社長、名古屋市熱田区)は、同社福田工場(愛知県みよし市)の近隣に排気系部品の新工場を建設すると10日までに発表した。投資金額は土地の取得代を含め約71億5千万円。福田工場でボディー部品の生産能力を増強するのに伴い、同工場の排気系部品を移管する。2027年5月に竣工予定だ。坂田浩己副社長は「福田工場を再編し、未来に向けて事業のポートフォリオを組み替えていく」と語った。
新工場は「技能伝承の地」と位置付け、排気管やエキゾーストマニホールドなどを一貫生産する。3階建てで、敷地面積は約2万9千平方メートル。複数のモデルに対応できる汎用設備やコンパクトなライン、無人搬送車(AGV)の導入などで生産性を高め、収益向上を図る。
一方の福田工場は、ボディー部品のハイテン(高張力鋼板)化の需要に応えるため、27年に同社の国内工場で初となる3500トン級の大型プレス機を導入し、生産能力を2~3割引き上げる。ルーフサイドインナーやダッシュパネルをはじめとした大型ボディー部品の生産を増やす。
同工場ではまた、30億円を投じて新設した物流センターが5月に稼働した。複数の箇所に点在していた出荷場や空パレット置き場を集約し、ドライバーの拘束時間も短縮した。今後も自動化やデジタル・トランスフォーメーション(DX)による物流効率化を推進する。