商用車の自動運転技術を開発するT2(森本成城CEO、東京都千代田区)と飲料大手4グループは5日、自動運転トラックを使った実証を始めると発表した。幹線輸送でトラックを走らせ、技術や運用面での課題を洗い出し、将来の実用化を目指す。

 酒類・飲料の物流子会社であるアサヒロジ(児玉徹夫社長、東京都墨田区)、キリングループロジスティクス(小林信弥社長、同中野区)、サッポログループ物流(服部祐樹社長、同渋谷区)、サントリーロジスティクス(髙橋範州社長、大阪市北区)の4社と取り組む。9日からT2が開発した自動運転トラックを用い、関東~関西の高速道路で4社の製品をそれぞれ幹線輸送し、効果や課題を洗い出す。実証は6~11月の期間中、計16回(8往復)を予定する。

 トラックドライバー不足が深刻化する中、例えば無人の「レベル4(特定条件下における完全自動運転)」が実用化されれば、1日最大15時間と決められているドライバーの拘束時間に左右されず酒類・飲料を運べる可能性もある。

 酒類・飲料業界は、他業界に比べてトラックの運行頻度が高く、特に需要が高まる夏場は輸送能力の低下により商品供給が遅延するリスクが高まっているという。4社はT2と歩調を合わせ、2027~30年度前後の実装を目指す。森本CEO=写真中央=は「個社だけではなく業界と取り組ませていただくことは、一段と意義がある」と語った。