ヤマハ発動機が13日に発表した2025年1~3月期の連結業績(国際会計基準)は、二輪車の販売減や人件費など販売管理費の上昇に伴い減収減益となった。トランプ米政権の関税政策の影響については「精査中」として通期見通しへの反映は見送ったものの、関税コストは約500億円増えると説明した。価格転嫁や経費のコントロールなどで負担を最小化する方針だ。

 同日、オンラインで開いた決算説明会で、橋本満執行役員はトランプ米政権の高関税政策について「影響は小さくない」と語った。試算した関税コスト500億円のうち270億円をマリン事業が占め、二輪車は90億円程度とみる。需要変動を踏まえた価格戦略や在庫調整、柔軟な生産調整などの対策で影響の最小化を目指す。

 1~3月期の売上収益(売上高)は前年同期比2.5%減の6259億円、営業利益は同44.1%減の435億円だった。二輪車販売は同5%減の116万8千台。出荷ベースではフィリピンが2桁増となったものの、欧米や日本などの先進国をはじめ、中国を含むアジアの各地域で前年実績を下回った。エンジン打刻の不良によって生産・出荷を停止していたベトナムは同79%減と大きく減ったが、4月から正常化している。