ヤマハ発動機は12日、2027年12月期までの3カ年中期経営計画を発表した。二輪車やマリンといった「コア事業」の競争力向上で、売上高にあたる売上収益を現在より2割多い3兆1千億円に増やす。コア事業への研究開発費と設備投資額を5240億円(3年間累計)へと前中計の3730億円から4割ほど積み増す。

 24年12月期までの前3カ年中計では売上収益2兆2千億円とする財務面の目標を達成した一方、新規事業の売上目標として掲げた300億円は未達だった。このため、二輪事業やマリン事業を再強化する。

 二輪事業は3年間の研究開発費を前中計比2割増、設備投資を同4割増に積み増し、新型車も20モデル以上、投入する。特に主力の東南アジアや新興国で高価格帯のプレミアムモデルを積極的に投入し、プレミアムモデルのセグメントシェアを現在の31%から42%に引き上げる。

 24年12月期の業績(国際会計基準)は売上収益が2兆5762億円(前年度比6.7%増)、営業利益が1815億円(同25.6%減)、当期純利益が1081億円(同31.8%減)だった。二輪車の出荷増や円安で増収となった一方、RV事業の不振などで減益となった。25年12月期の通期予想は売上収益2兆7千億円、営業利益2300億円、当期純利益1400億円。