デンソーとロームは5月8日、半導体分野での戦略的パートナーシップを締結することで合意したと発表した。デンソーの自動車向けに適した高度なシステム構築力と、ロームの民生向け最先端の半導体技術を融合して電動車や自動運転向け車載半導体を共同開発したり、ラインアップを相互補完して自動車の技術革新を支援したりする。両社は資本関係の強化についても引き続き検討する。
自動車メーカー各社が電動化や自動運転技術の開発を加速する中、これらを実現する高度な車載半導体のニーズが高まっている。デンソーとロームはこうしたニーズに対応するため、昨年9月から車載半導体分野での協業を検討してきた。
両社それぞれが培ってきた半導体技術を融合してアナログ半導体を中心に、電動車や先進運転支援システム・自動運転向けの車載半導体の開発や半導体の補完で連携し、競争力の高い車載半導体をグローバルで供給していく。また、両社が手掛けている半導体事業の中で親和性の高い分野については幅広く連携していくことを視野に協議していく。
デンソーは次世代車両システムを実現するキーデバイスとして自社で半導体を手掛けているのに加え、半導体メーカーとの協業を強化してきた。今回、車載エレクトロニクス製品向けに幅広い半導体ラインアップを展開しているロームと連携を強化する。
デンソーの林新之助社長CEO(最高経営責任者)は「両社の連携を深化させ、デンソーが培ってきた車載技術、知見と融合させることで、安定供給と製品の付加価値向上でモビリティ社会の発展に貢献していく」とコメントしている。