日本自動車工業会(片山正則会長)が4月30日に発表した2024年度の自動車輸出は前年度比4.9%減の424万4360台で、4年ぶりに減少した。北米での競争激化、中国やタイなどの市況低迷が響いた。

 最大の仕向け地である北米は同7.1%減の162万台だった。ただ、米国向けの3月の実績は11万5千台と、同6.1%増加した。トランプ米政権は4月3日、日本を含めた自動車への25%の追加関税を発動した。このため各社が直前で輸出を増やしたことが分かる。ホンダや日産自動車など、現地生産を増やす動きもあり、今後の輸出動向が注目される。

 競争が激化している中国は同13.1%減の19万7千台だった。一方、フィリピンやベトナム、パキスタン向けは好調で、アジア全体では前年を上回った。景気が低迷している欧州はドイツやフランスなど主要市場で軒並み前年割れとなり、同23.9%減の61万4千台にとどまった。

 車種別では乗用車が383万5千台で3年ぶりに減少し、トラックは30万2千台で2年連続減、バスは10万6千台で4年連続で増加した。

 2月の国内生産は73万2798台で、2カ月連続で増加した。