河西工業は4月28日、2025年3月期通期業績の開示を延期すると発表した。4月下旬までとしていた同第3四半期決算の開示も遅らせる。一部の勘定科目で誤りが判明し、金額や影響範囲を精査していたが、データの抽出や紐づけ、突き合わせが難航しているため。第3四半期決算は6月上旬から中旬、期末決算は6月末までに開示するとしている。

同社では、メキシコ子会社で過去の決算に誤りがあったことが発覚。社内調査を進めるとともに、第3四半期決算の開示を2度にわたり延期していた。一連の対応では3月中旬に再発防止プロジェクトチームを設置し、4月下旬には本社から追加人員を派遣しているが、今後の細部の詰め作業や会計監査手続きの時間を踏まえ、さらなる延期が必要と判断した。

同日には併せて、米国子会社の固定資産の帳簿価額を減額し、49億円の特別損失を計上すると発表。これらに伴い、25年3月期通期連結業績予想を修正し、当期純利益が110億円の赤字になるとの見通しを示した。24年3月期は3億1300万円の赤字としていたが、過年度訂正により変動の可能性があるとしている。