河西工業は、業績立て直しに向けた構造改革に着手する。大幅赤字に陥っている北米では事業移転・閉鎖を含む抜本改善に取り組むほか、再成長に向け新規事業創出のための人員再配置も進める。2027年度に利益改善70億円、固定費削減30億円を目指す。
4月28日、27年度までの3カ年新中期経営計画「河西ターンアラウンドアスピレーション」を発表し、方針を示した。北米事業では、最終の27年度に営業利益率4~5%の水準を目指す。業績を圧迫していた間接部門費を日本・米国・メキシコで横断的に圧縮するほか、製造工程での材料費・ロス軽減、外注による生産の絞り込み、適正な価格設定などを取り組みの柱に据える。
中計後を見据えた事業ポートフォリオの確立に向け、新たに「新規事業創造室」も立ち上げる。車種開発領域からの人員移行により、先行開発人員を2倍に引き上げるほか、開発件数も3倍にする。主要取引先である日産自動車の経営不振なども影を落とす中、従来のものづくりから脱却し、営業利益ベースで20億円規模の事業に育てる。中計における年度ごとの目標値などは、準備が整い次第、報告するとしている。
同社は20~22年度の3年間に累計約400億円の営業損失を計上し、24年度も2年連続の最終赤字に陥る見通し。メキシコ子会社では会計の誤りも発覚し、最新の決算開示が延期を余儀なくされている。収益改善と合わせて財務やガバナンスの見直しも急ぎ、経営再建を図る。