損害保険ジャパンは、保険修理の工賃算定に用いる「指数対応単価」を3年連続で引き上げることを決めた。2025年度の全国平均は、24年度から8.05%(550円)引き上げ7380円とする。単価の算出方法を見直し、20年度からのコスト上昇(変動)分の遡及(そきゅう)補正と、整備事業者の工場規模などを新たな加算要素として設定した。原則、7月1日以降の入庫事案から新たな指数対応単価を適用する。
同社では、24年度から指数対応単価の算出方法を見直し、従来の消費者物価指数(CPI)変動スキームに加え、企業間コストや労務費の上昇を加算している。単年度の指数対応単価算出で、CPI以外の要素を初めて取り入れた。
25年度の指数対応単価の方針を検討するに当たっては、近年続く物価上昇動向に注目。24年度に採用した算出方法を20年度から適用して算出し直した。20~24年度のコスト上昇(変動)分を遡及補正した結果を25年度の指数対応単価に反映させた格好だ。
整備事業者における物価や企業間コストの変動を把握するため、日本自動車整備振興会連合会(日整連、喜谷辰夫会長)が隔年で発行している「自整業の経営・給与データブック」を参考とした。
事業者規模によってかかるコストも異なることを踏まえ、「工場規模(整備要員数)」と設備投資の状況や修理技術品質などを評価軸とする「設備・修理技術評価スキーム」を新たな加算要素とする。同スキームは車体整備事業者を対象に、特定整備認証の取得有無やフレーム修正機など設備投資状況を評価の判定項目とする。
同社は「(車体整備事業者を含む)整備事業者の実態を正確に把握・評価するとともに、公平かつ持続可能な指数対応単価の運用を目指すため」と導入の狙いを説明する。また、25年度の指数対応単価の算出方法の見直しを検討するに当たり、国土交通省と日本損害保険協会(損保協、城田宏明会長=東京海上日動火災保険社長)がそれぞれ3月に取りまとめた価格交渉に関するガイドラインも踏まえた。