ヤマトホールディングス(ヤマトHD)と医療総合商社アルフレッサホールディングスの子会社、アルフレッサ(福神雄介社長、東京都千代田区)は共同で、自動車運送事業者の運転者らを対象にオンライン診療などを提供する新会社「マイメディカ」(伊藤匡社長、横浜市中区)を設立した。同事業者の運転手は50歳以上が半数を占め他業種よりも労働時間が長いため、健康リスクが高いと指摘されている。こうした中、両社は健康管理と重症化予防の支援を狙い、スマートフォンアプリでの医療行為を可能にするサービスに乗り出した。
ヤマトHD子会社のヤマト運輸とアルフレッサは、医薬品の新しい流通ネットワークづくりを目指し2019年に「医薬品流通研究会」を立ち上げた。その中で生活者が医療支援を受けやすい環境を構築することが早期治療、重症化予防に役立つと考え、オンライン医療サービスを共同開発し、7日に提供を開始した。
新会社は資本金4億9500万円で出資比率は非開示。スマホアプリを通じて診療予約から診療、服薬指導、医薬品配送、会計までをオンラインで完結できるようにした。合わせて健康診断再検査の案内、受診結果のとりまとめ、受診状況の見える化も行うことにした。
利用者の利便性を高めるため、最短10分で診療、服薬指導が完了し、土日を含む午前7時から午後9時まで受診できるようにした。医薬品は自宅や職場など任意の場所で受け取れるなど、無理なく治療を継続できるよう配慮した。
導入事業者には、従業員の的確な健康管理と重症化予防を図り健康起因事故リスクの軽減につながることや、健康診断の再検査に関わる業務負担の削減、福利厚生の充実がメリットとする。
ヤマトHDの長尾裕社長は「23年12月からヤマトグループ内でトライアルを実施した結果、健康診断の再検査受診率が98%、治療継続率が80%、累計受診数が1万件以上になった。パートナーとともに業界の健康課題への対応に向けて取り組みを進めていく」と手ごたえを示した。