粉砕し、材料として用いるため選別した卵の殻
素材専門商社のオー・ジー(福井英治社長、大阪市淀川区)は、卵の殻を活用した合成皮革などを開発し、自動車業界に提案している。マテリアルリサイクル樹脂も活用。単なる素材供給にとどまらず、顧客の課題解決に寄与する「ソリューション提案型商社」を目指している。
同社は自動車の内装材に用いられる樹脂製品や、シート素材に用いられるウレタン樹脂を長年、提供してきた。その知見や顧客網を生かし、新たな提案を進めている。
例えば、タイでマテリアルリサイクル樹脂を製造している企業と連携し、現地でリサイクルされた樹脂を活用する。原料廃材のトレーサビリティー(追跡性)が可能だ。
また、食品廃棄物である卵の殻を樹脂原料に配合した合成皮革を開発。多様な応用を目指している。このほど開かれた「オートモーティブワールド2025」でも関心を集めた。さらにプラスチックに添加剤などを混ぜ、耐熱性や難燃性を付与したり、軽量化や強度向上を実現したりすることが可能。金属代替材料としてのプラスチック需要に対応する。
今後、環境負荷を減らしつつ高い性能を持たせたリサイクル樹脂やバイオマス(生物由来)素材を中心に、持続可能な素材の提供を増やしていく考えだ。