中国・比亜迪(BYD)の日本法人ビーワイディージャパン(BYDジャパン、劉学亮社長、横浜市神奈川区)と、その傘下で日本の乗用車事業を手掛けるBYDオートジャパン(東福寺厚樹社長、横浜市神奈川区)は、都内で2025年の事業方針を発表した。乗用車では年末にもプラグインハイブリッド車(PHV)を導入する方針を明らかにした。また、電気トラック(EVトラック)の国内販売に新規参入する方針も公表。26年以降に順次、事業展開していく計画だ。
24日の事業方針発表会で、BYDオートジャパンの東福寺社長は「27年ごろまでに電気自動車(EV)とPHVで7、8車種の体制にする」との見通しを示した。国内市場ではまだEVの浸透が進んでいないことから、国内ユーザーにも受け入れられやすいPHVを投入することにしたという。
また、10日の「東京オートサロン2025」で公表していたSUVタイプの新型EV「シーライオン7」も披露。国内市場では4車種目となり、4月から販売を開始する予定だ。
日本自動車輸入組合(JAIA、ゲルティンガー剛理事長、東京都港区)によると、2024年のBYD車の新規登録台数(乗用車)は前年比53.7%増の2223台で、すべてEVだった。ブランド別では仏シトロエン(2919台)に次ぐ14位となっている。一方、同年のBYD車の世界販売台数(乗用車)は425万台で、6割近くがPHVだったため、国内でも伸びる可能性がある。BYDオートジャパンはEVとPHVの二本柱で商品を展開し、シェア拡大を狙う。
また、商用車の商品構成も強化する。今回の事業方針発表会では、EVトラックの新規導入に加え、国内向けに専用開発した中型電気バス(EVバス)「J7」も初公開した。192.5㌔㍗時のリチウムイオン電池を搭載した最大61人乗りで、価格は4015万円(消費税込み)。BYDジャパンによると、乗車率が65%でエアコンを稼働しない場合、約250㌔㍍の走行が可能としている。
BYDは15年に、EVバスで国内市場に参入。すでに小型の「J6」と大型の「K8」を取り扱っており、J7でEVバスのフルラインアップが完成。さらに、EVトラックを追加することで、国内の商用車市場でも攻勢をかけていく考えだ。