人材戦略について説明会を開いた(左から足立人事部長、貝原副社長、安田人事統括部長)
ホンダは1月17日、2030年までに約150億円の人材投資を実行すると発表した。SDV(ソフトウエア・ディファインド・ビークル)や生成AI(人工知能)関連などソフトウエアのほか、電動化関連の人材確保や従業員のリスキリング(学びなおし)などに活用する。電動化やSDVでは中国メーカーを筆頭に市場競争が激化している。ホンダは注力分野での人材拡充を加速してグローバル競争で戦える体制を整える。
現在、年間1300人程度を中途採用しており、そのうち6割がソフトウエアや電動化などの人材が占める。30年までの5年間で注力分野の人材採用は同規模もしくは拡大していく計画だ。
ソフトウエア人材の確保では、26年初頭に東京都内に新たな拠点を設け、採用を広げる。場所や人員規模は非公表だが、コーポレート管理本部の安田啓一人事統括部長は「(東京の拠点が)手狭になっていて場所の確保が必要」と話す。今春にはグラングリーン大阪(大阪市北区)にソフトウエア開発拠点を開設する予定で、東京以外での人材確保を進めている。
また、電動化も含めた注力領域のリスキリングの対象も広げる。これまで国内従業員を対象にeラーニングなどのプログラムを提供し、ソフトウエアと電動化それぞれで3万人が受講。今後は海外の従業員約8万人を対象に受講人数を増やしていく考えだ。