西本さん(右)と九州マツダ赤迫店の木本健介店長
マツダは、長崎県在住の西本尚子さんが25年間愛用した「RX―7(FD3S型)」を譲り受けた。車両は広報車としてメディアへの貸し出しなどで活用する。80歳を区切りに運転免許の返納を決断した西本さんは、愛車の譲渡先を探していた。400件を超える問い合わせの中から、「歴史を引き継ぎたい」という同社の思いに応え、里帰りを選んだという。西本さんは「大好きな車に出会えて幸せだった」と振り返るとともに、「若い方々も、愛車との出会いを楽しんでほしい」と話していた。
車両の譲渡は新車での購入から、長年メンテナンスを手掛けてきた九州マツダ(有國嘉弘社長、福岡市博多区)の赤迫店(長崎市)で行われた。西本さんの80歳の誕生日に合わせて開いたセレモニーにはマツダの土井耕輔国内営業本部長らが出席。「ただの移動手段ではなく人生のパートナーになっていると感じてうれしい」とする毛籠勝弘社長のメッセージを西本さんに伝え、記念の盾などを贈った。
いまだ運転に自信があるという西本さんだが、RX-7を購入したのはアニメ「頭文字(イニシャル)D」で一目ぼれしたのがきっかけ。「車体後部の滑らかなラインと、ロゴとナンバーの一体感が好き」だそう。走行距離は約7万7500㌔㍍で、他の車への乗り替えは考えたことはなかったという。
(九州支社・益田 明徳)