次世代半導体の国産化を目指すラピダス(小池淳義社長、東京都千代田区)の東哲郎会長は16日、日刊自動車新聞の取材に応じ、事業に必要な資金について民間からの投融資の受け入れを進め、最終的には官民で半々程度の構成比になる形を目指す方針を明らかにした。またトヨタ自動車とNTTが発表した連携に、半導体開発で協力する考えも示した。
ラピダスの事業では最終的に約5兆円の資金が必要と見込まれ、すでに政府から約9200億円の資金援助が決まっている。また同社として民間企業から1千億円規模の資金調達を目標に掲げている。
東会長は「(既存株主の)トヨタやデンソーなどと追加出資について話し合っている」とした。その上で、具体的な額を明示するのは難しいものの、「最終的には、政府(資金)と民間(資金)で半々くらいを目指す」と、資金面での自立を図る考えを示した。その先に、最終的には株式公開(IPO)を検討する。また、直接の出資以外にも、自動車業界と連携を進めたい考えだ。
さらに、トヨタとNTTの連携に関連し、光電融合技術のデバイス(半導体)開発などで参画する考えを表明。「コンソーシアムに入るかどうかは別にして協力したい」と意欲を示した。
米国の拠点で数十の見込み客を開拓中だとした上で、顧客層の柱として国内の自動車業界を想定。自動運転や各種のデータ処理といったニーズを踏まえ、「速い開発サイクルで半導体を提供したい」とした。
このほか人員も強化し、現状の約500人体制から、本格操業時は倍増の約1千人体制となるとの見方を示した。