ソフトバンクの宮川潤一社長は11月8日の決算発表記者会見で、トヨタ自動車とNTTが発表した人工知能(AI)や通信基盤開発の協業の枠組みに参画を検討する考えを明らかにした。KDDIも参画に前向きで、通信各社の足並みがそろう可能性がある。また次世代半導体の国産を目指すラピダスへの追加出資に応じる意向も示した。

宮川氏はトヨタ・NTTの協業への参画を検討する背景として、「(ソフトバンクが)V2Xや、自動運転をサポートするAI(人工知能)などを研究してきた。事故や渋滞のない社会へ、デジタルツインでリアルとバーチャルをつなぐ技術も開発してきている」と述べ、こうした技術を生かせるとの考えを示した。

ラピダスについては、「追加出資の意向を表明した。内容は開示できない。びっくりするような額ではないが、継続して応援する」と述べた。その上で、「(ラピダスは)課題が山積み。半導体は作るまでがゴールではない。販売を続けていくこと(が大事)」とし、資金・売り先・開発力のバランスが重要だとの考えを示した。また、「社内で私に怒る人は一人しかいないが、(追加出資の件で)けんかになった」と述べ、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が反対したことを示唆した。