ディーラーもリコール作業にリソースを振り向けるが…(イメージ)

 デンソー製燃料ポンプの不具合によるリコール(回収・無償修理)対応について、ホンダは一般の整備工場に改修協力を要請し始めた。改修対象は約114万台分で、昨夏には死亡事故も起きた。部品供給にメドがつき、ホンダは8月中旬までにリコールを完了させる方針だが、系列販社だけでは改修に限界がある。作業のピークと見込む7月には改修対象の約半分にあたる25万台分を一般の整備工場で作業してもらい、リコールの早期完了を目指す。

 対象となるリコールは、23年12月に届け出た低圧燃料ポンプの不具合で、対象車種は25車種・計113万8046台分だ。20年5月~23年10月までに同様の不具合で届け出た計5回のリコールの大半は対応済みだが、昨年12月の届出分は、部品供給や販売会社の整備能力の問題で、5月末時点の改修率が15.5%にとどまっている。

 交換部品の確保にメドがついたため、日本自動車整備振興会連合会(日整連)を通じ、改修を任せられる工場数の調査を始めた。コンプライアンス(法令順守)状況や工員数、燃料ポンプの交換実績、積載車の有無などを回答してもらい、最終的に各地域の販売会社が協力工場を決め、改修作業を委託する。

 協力工場には、交換工賃などの修理対価に加え、業務委託で発生する事務コストも支払う方針。車両とともに部品と専用工具を委託先に引き渡し、作業後に販売会社が最終検査し、顧客に納車する。

 ホンダが日整連に配布した資料によると、7月に系列販売会社が対応できる改修能力は月間21万台分。一般整備工場の協力で25万台の能力を追加するほか、デンソーサービスやホンダからの応援も含め、最大で48万台分の改修能力を確保したい考えだ。