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 住友化学は、バイオマス原料由来のスーパーエンジニアリングプラスチックの量産技術を確立したと発表した。脱炭素化を推進するため、自動車向けなどに非化石原料を使用した材料の供給を目指す。今後、バイオスーパーエンプラの量産体制を整え、2026年度中に顧客の認定を取得し、27年度からの供給を目指す。

 同社はバイオマス原料由来のモノマーを使って高レベルの耐熱性と難燃性が求められる液晶ポリマーの量産技術を開発した。製品中のバイオマス含有量が明確になるように投入したバイオマス原料とそれ以外を完全に分離する「セグリゲーション」方式を採用した。

 投入したバイオマス原料の量に応じて製品の一部に割り当てるマスバランス方式にしなかったのは納入先のニーズに対応するためとしている。

 液晶ポリマーは自動車や電子機器、OA機器など、幅広い製品に使われているが、現在はそのほとんどが化石資源由来となっている。

 同社は工業製品材料をバイオマス原料に転換することを求める取引先のニーズに対応する。今後も従来の化学合成だけでは製造が困難な高機能製品の開発やプロセスの省エネルギー化を図るとしている。