日本特殊陶業は4月30日、2024年3月期の決算会見を開き、中期経営計画の目標である売上高6千億円、営業利益1千億円を1年前倒しで達成したと発表した。車両生産の安定化に加え、点火プラグに使用するイリジウムなどの貴金属で価格転嫁が進んだことや円安が貢献した。

 25年3月期の連結業績予想(国際会計基準、IFRS)は、売上高6430億円(前期比46%増)、営業利益1150億円(同69%増)と4期連続で過去最高を更新する見込み。川合尊社長は「自動車はプラグ、センサーとも安定した状況が続く。中国の景況感や為替変動がリスク要因だ」と語った。

 今年度より株主還元方針を変更し、配当性向に加え、単年度の業績の影響を受けにくい「親会社所有者帰属持分配当率(DOE)」を指標に採用することも発表した。安定配当部分と業績連動部分を組み合わせ、為替が変動しても安定した配当を目指す。