データ連携で電池のCO2排出量を把握できる体制を整える

 情報処理推進機構(IPA)は23日、欧州の自動車用データ連携システム「カテナ―X」と電池をはじめとする自動車データ連携基盤の相互運用に向けた検討を開始したと発表した。IPAが設計を手がける日本の「ウラノス・エコシステム」との相互運用を目指す。欧州では電池規則の一環で2025年に車載電池がライフサイクル全体で排出した二酸化炭素(CO2)排出量の開示が義務付けられる。IPAや経済産業省は、欧州電池規則への対応をユースケースの第一弾としてウラノスの活用を進める。

 24年内に相互運用の実現可能性を検証し、早ければ25年に連携をはじめる。欧州電池規則では、カーボンフットプリントのほか、電池材料の生産履歴などの情報を記録した電池パスポートも必要になる。電池のデータを集約したカテナ―Xとウラノスを相互連携することで、中国に依存する電池材料の安定調達にもつなげる。

 ウラノスをめぐっては、昨年から先行検討フェーズや開発フェーズが進んでいる。昨年10月に開いたキックオフイベントでは、アプリケーションベンダーを含む200社が参加。今年2月のテストにはユーザー候補の自動車メーカーとサプライヤー23社が参加した。