フォルクスワーゲン(VW)やメルセデス・ベンツ、ZF、BASFなどの欧州の自動車メーカー、大手材料・部品メーカー10社が、セキュリティー性の高いデータ交換を可能にする「カテナ―X」の利用を促進するための組織「コフィニティ―X」を立ち上げた。サプライチェーン全体で部品とコンポーネントを追跡できる製品を展開し、サプライチェーンの強靭化を図る。

 コフィニティ―Xに参画したのは、他にBMWグループ、ヘンケル、SAP、シェフラー、シーメンス、Tシステムズの合計10社で均等に出資した。自動車バリューチェーン全体でセキュリティー性を確保しながらデータ交換を実現していくことを目指す。

 コフィニティ―Xでは、原材料から廃棄やリサイクル部品として再利用されるまで、サプライチェーン全体で部品とコンポーネントを確実に追跡できる製品・サービスの供給を目指す。提供するアプリケーションは自動車業界で信頼性の高いデータ交換を推進するオープンデータネットワークのカテナ―Xのデータ交換原則に準拠する。最初の製品・サービスは4月末に提供する予定。

 「カーボンフットプリント追跡ソリューション」を活用することで、サプライチェーン全体での二酸化炭素(CO2)換算値を簡単、正確に算出できる。参画企業は事業活動でのCO2排出量などの透明性を確保できる。コンポーネントの状態に関する正確な情報の透明性を確保して顧客に提示できるため、部品やコンポーネントの再利用にもつながる。

 将来的には、CO2排出量に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)モニタリングやビジネスパートナー・データ・マネジメントなどのアプリケーションにも対応していく予定。