データ連携プラットフォームの全体図

 NTTデータとデンソーは13日、車載バッテリーに関する業界横断のプラットフォームを構築すると発表した。企業が持つ秘匿データを保護しながらライフサイクル全体での温室効果ガス排出量の情報や希少資源の環境・人権への配慮状況など、車載バッテリーに関するデータを相互流通できる仕組みの構築に着手する。2024年から一部で施行される予定の欧州の電池規制も見据え、23年度中にサービスの商用化を目指す。運営団体の設立も検討する。

 欧州ではドイツの自動車メーカーなどが運営する「カテナ─X」など、データ流通基盤の整備が進んでいる。日本の自動車メーカーも欧州で電動車を販売する際、これらの基盤を利用することになることが想定される。その場合、原材料や受発注情報などの秘匿したいデータも海外のデータセンターに保管されることが懸念されている。欧州のデータスペースと相互接続でき、データを安全に管理できる仕組みが課題となっている。

 NTTデータはNTTコミュニケーションズの協力も受けて、車載バッテリーに関する業界横断のデータスペースの構築などに取り組んできた。ここにデンソーの自動車業界のノウハウやトレーサビリティ技術を生かして課題を整理し、自動車業界が使いやすいシステムを構築する。

 将来的に企業間で重要なデータを活用できる情報インフラとすることも視野に入れる。両社は共同事業検討の基本合意書を締結し、今回の取り組みは経済産業省の補助事業に採択された。