出光興産は、リチウムイオン電池の負極材料として使われるグラファイト(黒鉛)を手がける豪州のグラフィネックスに出資して重要鉱物資源事業に参入すると発表した。今後、電池材料向け黒鉛の事業化の可能性を検討して、将来的にはクイーンズランド州で電池負極材料の生産を目指す。

 黒鉛はリチウムイオン電池の負極材料として将来的に需要の大幅増加と供給不足が見込まれている。グラフィネックスは黒鉛の採掘・生産から負極材の生産まで一貫事業体制の構築に向けて、同州クロイドンで鉱山開発、同州タウンズビルで負極材の製造を計画している。

 出光はグラフィネックスへ出資することで電池の負極材料事業を展開する。豪州で45年間にわたって石炭鉱山を操業してきた事業基盤を生かして、低炭素・脱炭素事業の創出に取り組む。