UDトラックスは、国内販売部門を約10年ぶりに別会社化する。6社の販売子会社で全国をカバーする体制を整えていく。UDトラックスは2007年にボルボグループ入りしたが、ボルボといすゞ自動車の提携に伴い、21年にいすゞ子会社となった。いすゞ系の販売会社と地域に根ざした協業を加速させる狙いもあり、国内販売部門を再び切り出すことにした。
国内販売部門の受け皿となる「UDトラックス関東」「UDトラックス中部」「UDトラックス近畿」など6社の販売会社を昨秋に設立した。今は休眠状態だが、メーカーと販社への機能分担、いすゞ系販社との協業や補完などの詳細を詰めた上で、次期中期経営計画期間中に販売機能を移管するとみられる。いすゞ側も「いすゞ自動車首都圏」「いすゞ自動車中部」「いすゞ自動車近畿」など6社の広域直営販社を持つ。
UDトラックスはボルボグループ入り後の09年1月、全国に10社あった販売会社を全額出資の「日産ディーゼルトラックス」へと集約。「UDトラックスジャパン」へと社名変更した後、14年にはUD本体に吸収した。事業の効率化や、市場ニーズへの機動的な対応が狙いだった。
しかし、地域に根差した販売活動に課題もあり、いすゞ傘下となった後の22年春には、販売やアフターサービスなどの機能軸だった組織を全国6地域・24支社のエリア軸に改め、地域ごとに統括責任者を配置した。今回、さらに踏み込んで別会社とすることで、いすゞ系販社との協業を進めつつ、地域密着型のキメ細かい販売活動をさらに推進する。
いすゞ系販社とは、共同店舗の開設や補修部品の共同配送といった協業が広がりつつある。