UDトラックスは、いすゞ自動車とコネクテッドサービスでの協業を本格化する。いすゞのクラウド型運行管理サービス「ミマモリ」をUDの一部顧客向けに2023年1月から試験導入していたが、24年早々に他の顧客にも提供する方針だ。両社は協業を強化しており、グループとしてシナジーの創出を急ぐ。
ミマモリは、インターネット経由で車両の運行状況を管理するシステムで、22年10月には全面刷新した。刷新に伴い、機器も後付けしやすい「1DIN型」も用意され、搭載車種を広げている。ミマモリはいすゞのコネクテッドサービスだが、UDもいすゞグループの一員になったことで、今後はミマモリ提供を本格化する。サービス名称は、UDもミマモリを用いる。
UDのテレマティクスサービスは現在、外部の「フリートマネジメントシステム」(FMS)を採用している。ミマモリの本格導入後も併行して販売を続ける。ユーザーによってニーズも異なるため、従来のサービスを残しながらも、いすゞグループの一員としてミマモリを展開する。
時間外労働規制の強化を契機とした「2024年問題」を抱える物流業界では、官民で輸送効率の向上に取り組んでいる。ミマモリが提供する運行管理などのサービスを通じ、業界が抱える課題の解決にもつなげていく。
いすゞは21年4月にUDを子会社化し、4月に初の共同開発車となるトラクター(けん引車)、初の協業拠点を京都府に開業するなど、間接部門から新車開発や販売へシナジーが広がりつつある。いすゞの南真介社長兼最高執行責任者は「UDとの協業は第2段階に入っている」と話す。シナジーとして26年3月期には500億円を見込んでおり、今後もCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)での協業を進める。