伊藤忠商事など3社連合の買収が決まったビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)が公表した2022年9月期の売上高と、大手調査会社が調べた推定額と2500億円以上の差があることが分かった。同社は決算公告で3355億円としたが、大手調査会社は6千億円弱としている。純利益では同社は184億円とし、調査会社の調べ(180億円)とほぼ一緒だった。調査は対象企業が任意で答えるもので厳密さについて限界がある。ただ、金融機関も参考にしており、社会的に一定の信頼性はある。売上高で大きな差異が生じた理由は、明らかになっていない。

 会社法ですべての株式会社は、官報や日刊紙などで決算公告(公表)することが義務付けられている。ビッグモーターは「かつては官報に掲載していた」というが、最近は公表していなかった。

 こうした中で、同社は急に、2月16日に日刊紙に決算公告を出した。再生に向け企業の透明性を高めていく必要があると考えたとみられる。現金などの流動資産は442億円、純資産は738億円。単純計算した自己資本比率は4割を超え、一般企業と比べても健全な財務状況だった。

 ビッグモーターの子会社であるビーエムホールディングス(若山哲也社長、東京都多摩市)も3月12日に決算公告(貸借対照表のみ)を日刊紙に掲載。現金などの流動資産が43億円、自己資本比率は7割に上った。

 ただ、2社が公表したデータは2期前の不祥事発覚前のもの。発覚直後の直近の23年9月期決算を公表するかどうかについて、ビッグモーターは「回答を差し控える」としている。