自動運転システムの開発に使用する「リーフ」

 日産自動車は28日、2027年にもドライバーレス自動運転車によるモビリティサービスの提供を始めると発表した。24年度からセーフティドライバーが乗車した状態でのサービスを開始し、技術的な課題の解消を図る。同時に、自治体や政府とともにインフラ整備や自動運転車の認可制度などの検討を進め、ドライバーレス化の早期実現を目指す。

 自動運転モビリティサービスの事業化に向けたロードマップを策定した。24~26年度、27~28年度、29~30年度の3フェーズに分類し、段階的に自動運転車の技術レベルの向上や適用地域の拡大を進める。

 フェーズ1で、まずは横浜市で自動運転システムを搭載した「セレナ」を最大20台運用してオンデマンド型のモビリティサービスを無償で提供する。運転席にはセーフティドライバーと呼ぶ監視員が乗車し、緊急時に対応できるようにする。その後のフェーズ2で有償化するとともに横浜市以外の地方の市町村にも提供地域を拡大する。その過程で走行データを蓄積し、ドライバーレス化の時期を判断する。フェーズ3で本格的な実用化を目指す。

 日産は17年度から自動運転の実証実験を開始。段階的に技術レベルを上げており、21年9~10月に横浜市で実施した実証実験でもセーフティドライバーが乗車した状態で自動運転車を使ったサービスを期間限定で提供した。24年度からは恒久的にサービスを提供し、データ蓄積を加速する。土井三浩総合研究所長は「どこでもドアのある世界を目指す」と語った。