中古車販売のグッドスピードで、2022年10月からの半年間に91件の不適切な自動車保険金の請求が新たにあったことが分かった。同社が設けた調査委員会が1664件調べたうち、5・5%に当たるという。実際にはしていない板金や塗装の工賃を請求していたほか、修理部分の写真撮影をせず実際にどんな状況だったのか、分からなかったケースもあった。同社は8月24日に、2023年度の保険金請求の一部を調べた結果、30件の不適切な事案が見つかったと公表。この後、同社の社外取締役3人による調査委を設置し、9月末までに報告書をまとめていた。
調査委が従業員49人に実施したアンケートでは、不正行為に「関与した」と回答した人が3人いたという。
この報告書について同社は非公開を前提にまとめ、取引先の損害保険会社などに提出したとみられる。10月20日の一部報道で表面化した。これらの内容を今後公表するかどうかについて、同社の担当者は「損保会社と協議していきたい」としている。
同社は保険金の不正請求があるとの一部報道を受けて8月23日に内部調査をしていると発表。翌24日に23年度の一部を調べた結果、30件(合計63万円)で不適切な事案が見つかったと明らかにしていた。
また、同社は公表済みの決算に関して不適切な会計処理の疑いがあると監査法人から指摘があったため、外部の有識者による調査委員会(委員長=公認会計士の井上寅喜氏など4人)を設置すると9月29日に発表している。さらに同社は、10月16日から愛知県内3店舗、三重県内1店舗の合計4店舗を一時休業すると発表した。「顧客の利便性、業務効率上の向上が目的」としている。