研究成果を発表する記者会見(2016年4月)

 NGP日本自動車リサイクル事業協同組合(小林信夫理事長)は、二酸化炭素(CO2)削減効果の定量化と研究成果を活用し、自動車リユース部品によるSDGs(持続可能な開発目標)とカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向けた取り組みの普及と啓発活動を実施している。産学共同研究の成果をもとに2019年7月、SDGs宣言を行い「NGPSDGsモデル」を分かりやすく発信するとともに、30年までにNGPのリユース部品の活用によって50万㌧のCO2削減を目指している。

 13年5月、明治大学、富山県立大学と「自動車リサイクル部品産学共同研究会」を立ち上げた。車を修理する際に、リユース部品を使用した場合のCO2削減効果について、ライフサイクルアセスメント(LCA)評価を用い数値化することで可視化に成功。16年4月からは、全国の組合員が使用する共有在庫システムで発行する見積書や納品書などにCO2削減量を記載できるようにした。

 取り組み開始から22年8月時点で、NGPのリユース部品によるCO2削減量は20万584㌧に上る。これらの研究成果は、学術利用に公開しているほか、ホームページや、各種イベントなどで広く発信し、普及・啓発にもつなげている。

 このほか、香川県豊島における環境保全・再生活動や、子どもたちの教育につながる「アップサイクルプロジェクト」「バーチャル工場見学会」などを実施。カーボンニュートラル、SDGsの取り組みにおいては、損害保険会社、自動車リース会社、自動車販売、整備など自動車関連事業者に対する取り組み支援サービスを行っており、さまざまな団体・企業との連携も広げている。