ダイハツ工業の仕入れ先で発生した工場火災の影響が広がっている。ダイハツは6月29日、火災による部品調達難で滋賀第2工場とダイハツ九州の大分第1、2工場の稼働停止を7月7日まで延長するとともに、新たにコペンファクトリー(大阪府池田市)も2~7日まで稼働を停止すると発表した。火災による稼働停止は最大12日間となる。また、京都工場(京都府大山崎町)でも一部車種の生産調整に入った。火災が発生した仕入れ先では工場の停止が続いており、ダイハツでは部品調達の代替えも検討しているものの、稼働再開のめどは不明としている。

ダイハツが出資する歯車メーカーの浅野歯車工作所(藤田一社長、大阪府大阪狭山市)では、6月18日午後7時30分ごろ本社敷地内にある調質工場で火災が発生。19日午前1時30分に鎮火したが、現在も工場を停止している。浅野歯車は、ダイハツにリヤアクスルなどのユニット部品を供給している。ダイハツは部品の代替も視野に入れているが、供給するユニット部品が重要保安部品のため、採用までにはしばらく時間がかかる可能性がある。

工場火災を原因としたダイハツの稼働停止は、今回の追加により滋賀第2工場では12日間、大分第1、2工場は計10日の停止となる。影響台数や挽回生産については非公開とした。また、ダイハツでは半導体不足や側面衝突試験の認証手続き不正などを理由に、5月から国内工場の稼働停止を相次ぎ実施。今回の火災により車両供給は一段と厳しくなることから、納期の長期化など国内販売への影響も避けられない見通しだ。

各工場での生産車種は、滋賀第2工場が、軽自動車「タント」や小型SUV「ロッキー」、トヨタ自動車向けOEM(相手先ブランドによる生産)の「ライズ」など。大分第1工場が「ハイゼットトラック」や「ハイゼットカーゴ」、第2工場では「タフト」や「ミライース」、京都工場では「ブーン」や「トール」などを生産している。