アルファード
ヴェルファイア

トヨタ自動車は6月21日、高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」をフルモデルチェンジして販売を開始した。プラットフォームを刷新して快適性や走行性能を高めたほか、ボディサイズは先代モデル並みを維持しつつ2、3列シートの空間を広げた。パワートレインは、ハイブリッド車(HV)やガソリンターボに加えて、新たにプラグインハイブリッド車(PHV)を設定する。価格はアルファードで540万円(消費税込み)からに設定し、最上級モデルで先代モデルより約100万円高となる。

新型車はアルファードとして4代目で、8年半ぶりの全面改良となる。アルファードは高級ミニバンとしてファミリー層に支持されているほか、室内空間の広さや高級感のある内外装で公用車や社用車といった「ショーファードリブン」としての需要も採り込んでいた。このため先代モデルでは最上級グレードとして「エグゼクティブラウンジ」を設定。高級サルーンとして地位を確立した。

これを踏まえて新型アルファードでは、「快適な移動の幸せ」をコンセプトに開発した。外装デザインは「Forceful×IMPACT LUXURY」をキーワードに、箱形状のミニバンながらカタマリ感を意識して躍動感を表現した。

ボディサイズは全長4995mm、全幅1850mm、全高1935mm、ホイールベース3000mm。先代モデル比で全長を45mm拡大したが、5000mm以下に抑えて機械式駐車場に入るサイズとした。

室内空間は、前後方向で2列目シートで5mm、3列目シートで10mm拡大した。内装は、「おもてなし」をテーマに、さまざまな新たな装備を採用した。照明や各種スイッチ類、エアコン吹き出し口などの機能を天井中央に集約した「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」を開発し、操作性を向上。後席のサイドサンシェードは同社初となる下降タイプを採用し、日差しを遮りながら車外の景色を楽しむこともできる。

さらなる快適性の向上にも注力した。TNGAプラットフォーム(GA-K)をミニバン用に最適化し、ボディ剛性を先代比で5割強化して乗り心地を向上させたほか、地面から伝わる振動の周波数に応じて減衰力を機械的に可変させる周波数感応型ショックアブソーバーも設定した。シートには背もたれに低反発のフォームパッドを採用するなど、振動を3分の1まで低減した。

パワートレインは、2.5リットルガソリン車とハイブリッド車のほか、PHVの追加も予定している。また、ヴェルファイアのみ力強い加速を実現した2.4リットルターボエンジンを設定した。

ヴェルファイアは、専用サスペンションチューニングやフロントパフォーマンスブレースの追加などにより、走行性能を高めた。専用グレード「Z Premier」を設定し、デザインも漆黒メッキを基調とした金属加飾を採用し、躍動感やモダンさを表現した。

生産はトヨタ車体のいなべ工場(三重県いなべ市)が担当する。月間販売台数は8500台で、その内アルファードが7割、ヴェルファイアが3割を計画する。

価格は、アルファードが540万円~872万円、ヴェルファイアが655万円~892万円とした。

(2023/6/21更新)