ナオイの森ECOプロジェクトは2010年からスタートした
直井社長(写真中央)、髙橋部長(同右)、渡邉大也スーパーバイザー(同左)

 地域に愛され、信頼される〝地域ナンバーワン〟の店づくりに注力するナオイオート(直井清正社長、茨城県取手市)は、社会貢献領域 GX(グリーントランスフォーメーション)賞を獲得し、審査委員特別賞を受賞した。自動車関連企業ならではの方法で地域貢献を模索する中で、以前はテレビ番組の企画に合わせた募金活動などを行っていたが、2009年に「公益社団法人茨城県緑化推進機構(現公益社団法人茨城県森林・林業協会)」とタイアップし、茨城県内の小学校に森をつくる「ナオイの森ECOプロジェクト」を立ち上げた。10年には第1弾として、かすみがうら市立新治小学校にウッドチップを敷きつめた遊歩道を作った。その後は毎年のように「子どもたちの未来の笑顔につながる活動」としてプロジェクトを推進。土浦市の新治学園義務教育学校で県内13か所となり、同社店舗があるすべての市町村への寄贈が実現する。21年度には、「ナオイオートSDGs宣言」を掲げており、今後も地球温暖化の抑制と地元の子どもたちの健全な育成を目指し、新規出店を予定するエリアの小学校への森づくりを継続する。

 一方で、企画管理部の髙橋和正部長は同活動を根付かせる上で「社員一人ひとりが心を一つに同じ思いで行動を起こすことができるか、その部分には頭を悩ませた」と話す。ただ、社員の子どもが通う小学校にナオイの森が増えていくにつれ「働きがいを口にする社員も増えてきた」。合わせて寄贈時に地元の店舗スタッフ社員を参加させるなど、きっかけづくりを心がけた。今では「当事者意識を持つ社員が増え、盛り上がってきている」と実感する。また、同活動は採用活動にも良い影響をもたらしており「サステイナブルな活動に興味を持つ学生からの応募が増えている」という。髙橋部長は「いつか『ナオイの森で育ちました』という子が入社してくれたら嬉しい」と思いを語る。

 直近では顧客満足とSDGs推進に向け高齢者を対象に「交通安全セミナー」を立ち上げた。直井社長は「スピード感を持って実行していくことが未来をつくる」と述べ、人生100年時代を楽しむためにも安全運転支援策を打ち出していく。

〈受賞者コメント〉髙橋和正部長

 目的はクルマを通じて生涯のお付き合いをすること。この取り組みが認められたことは私たちが行ってきたことが間違っていなかったということを証明してくれているようでありがたい。そして、社員やお客さまが「良い取り組み」と感じてくれ、声に出してくれることも嬉しい。いつかナオイの森で育った子どもたちと一緒に働くことを夢見ながら、地域社会と結びつく取り組みとして今後も継続していく。