三井化学と三洋化成工業は22日、ポリウレタン樹脂の主原料の一つであるポリプロピレングリコール(PPG)の国内での生産協力などを目的として、両社折半出資で有限責任事業組合(LLP)を設立したと発表した。LLPを通じ、製造拠点の相互活用や原材料の一括調達などで協力し合う。

 ポリウレタン樹脂は自動車部品や断熱建材、塗料・接着剤など多岐にわたり、市場規模は世界で拡大を続けている。日本でも次世代自動車の普及や各用途における環境対応などのため、機能性の高いポリウレタン樹脂製品の需要が増える見通し。一方で汎用品の需要は減少傾向にあり、「非常に厳しい事業環境」(三洋化成・樋口章憲社長)という。

 両社のPPGの国内シェアは共に30%ほど。合算すれば60%に達するが、老朽設備の更新投資も積極的に行えず、安定供給面での課題を抱えていた。このため両社は昨年春から協議に入り、今回のLLP設立に至った。合弁会社ではなくLLPとした理由は「より自由な形で議論を進めるため」(三井化学・橋本修社長)とする。

 22日の会見で、三井化学の橋本社長は「両社のシナジー、PPG事業の基盤強化に期待したい」、三洋化成の樋口社長は「今回の設立による可能性は無限大だ」とそれぞれ語った。